親との関係で悩んでいる方、多いと思います。私もその一人でした。
私の母は、自分の思い通りにいかないことがあると、すぐに感情的になることがありました。そのため、時には物が飛んでくることもありましたし、怒鳴られることもありました。母の機嫌を損ねたなと気づくと、反射的に頭を差し出す自分がいて、それ以上状況が悪化しないようにする、まるでそれが防御反応のようになっていました。
そんな母に対して「どうにかしてほしい」「母が変わってくれたら、私もきっと幸せになれる」と思っていた日々。友達が母親と出かけた話を聞いたり、習いごとの帰りに友達親子が楽しそうにしている姿を見て、羨ましさが募る一方でした。
家族だからといって、すべて理解し合えるわけではない
私が大人になっても、その期待はなかなか叶いませんでした。
今振り返ると、母の性格や行動を変えようとすること自体が、無理なことだったと気づきました。家族だから、きっと分かってくれると期待してしまっていたのだと思います。気づくのに、とてつもない時間を使ってしまいました。もっと早く離れるべきでした。
でも、私は親から離れることはできない、してはないらないと思い込んでいたのです。
母は視覚障害を抱えており、さらに脳出血を2度起こしてしまいました。最初は半身麻痺、そして次には完全に寝たきりになりました。この状況があったからこそ、「私が母を支えなければ」と強く感じていたのかもしれません。特に、弟たちに負担をかけるのは避けたいと思っていたため、自分がその責任を負うしかないと考えていました。
しかし、母が完全に寝たきりになり、物理的に距離を置かざるを得ない状況が生まれたことで、少しずつ私自身の考え方も変わってきました。
親との関係に悩む方に伝えたいのは、「親は親、自分は自分」ということです。どんなに家族であっても、すべてを理解し合えるわけではありません。親が病気や障害を抱えている場合、その責任を感じることが多いかもしれませんが、親の問題はあくまで親自身のものです。
物理的な距離が心の解放につながることもある
物理的に母と距離を置いたことで、私は初めて、自分自身の人生を考える余裕が生まれました。
それまで感じていた「長女としての責任感」や「母を支えなければならない」という思いは、親戚からのプレッシャーなどから実は自分自身が作り上げたものだったと気づきました。
親の世話やサポートをすることが子どもの役割だと考える方も多いと思いますが、子どもが自分の人生を犠牲にしてまで親を支える必要はありません。親が病気や障害を抱えている場合、専門家やサポート体制を利用することが大切です。自分一人で抱え込む必要は全くありませんし、むしろ自分を大切にすることが、最終的には親にも良い影響を与えることがあります。
自分の幸せを優先することは、決してわがままではない
私は、母との関係において心の平安を見つけた後、自分の人生を大切にしようと思うようになりました。
親がどんな状況にあっても、それをすべて解決する責任は子どもにあるわけではありません。
自分を大切にし、幸せを追求することは決して悪いことではありません。
もし、あなたが家族のことで悩んでいるなら、少し距離を取って自分自身の気持ちを整理する時間を持ってみてください。それは親を見捨てることではなく、むしろ自分を守るための大切なプロセスです。親の問題をすべて自分が解決しようとせず、自分の幸せを優先して生きることを大切にしてくださいね。
助けを求めたっていい
親子関係に悩んでいると、つい「自分が何とかしなければ」と思いがちです。
特に、親が病気や障害を抱えている場合、その重荷を感じることがあるでしょう。しかし、親の問題は親自身のものであり、子どもがすべてを背負う必要はありません。親は親、自分は自分。自分自身を大切にし、幸せを追求することが何よりも大切です。
また、家族の問題は恥ずかしいことだとする文化が根強く、悩みを内部に秘めがちです。私は、もっと早くに誰かに相談できていたなら人生の選択が変わっていたのではないかと悔やむ時があります。サポートを受けることは重要です。身近な人や専門家に相談することで、自分の気持ちを整理し、解決の糸口を見つけられるかもしれません。