内向的なあなたでも大丈夫!手術室看護師

看護師の仕事

せっかく看護師になったのに、患者さんやそのご家族とのコミュニケーションが多い病棟勤務が自分には合わないかも…と感じている方もいるのではないでしょうか?

私自身も新卒で病棟に配属されましたが、もともとコミュニケーションが得意ではなかったので、患者さんとのやり取りに苦労しました。仕事なので一生懸命に頑張っていましたが、患者さんの中には治療に協力的でなかったり、こだわりが強かったりする患者さんも多く、プライマリー担当になると精神的に辛いなと感じることも多々ありました。

そんな中で、患者さんやそのご家族とすぐに打ち解けて仲良くなれる同期もいて、看護師としての自分の関わり方が悪いのかと自己嫌悪に陥ることも…。

でも、そんな私が見つけたのが手術室勤務という道です。

手術室では、病棟とは異なる環境で、内向的な性格の自分でも無理なく働けると感じました。この記事では、内向的な看護師にとって手術室がなぜ働きやすい職場なのか、私の経験も交えながらその魅力をお伝えします。

 

内向的なあなたでも大丈夫!手術室で働く魅力5選!

 

1.コミュニケーションが必要な場面が限られている

手術室では患者さんと長時間話す機会はほとんどありません。全身麻酔の手術であれば、麻酔で患者さんはすぐに眠ってしまうため、対話の場面も限られています。また、患者さんは手術を受けることをすでに決断している状態で手術室に入ってくるので、病棟で行うような意思決定支援のような深い話し合いはほとんど必要ありません。このため、コミュニケーションが苦手な人でも自然体で働きやすい環境です。

 

2.チームで動くため一人で抱え込まなくてOK

手術室ではチームで動くため、看護師一人に責任が重くのしかかることはありません。病棟だと、プライマリー看護師が患者や家族との関わりを担い、医師やリハビリ担当、ケースワーカーといった他職種との連携調整もすべて背負わされがちです。さらに、それが退院まで続くことも多く、精神的な負担も大きくなります。

一方、手術室では、手術のほとんどが数時間で完結するため、長期間の関わりが必要なく、一人で抱え込む負担もありません。各専門職と明確な役割分担がされているので、自分の仕事に集中しやすい環境です。

 

3.手順やリズムがあるから心にゆとりを持てる

手術室では、基本的に手術は決められた手順に沿って進行するため、予習や復習がしやすく、勉強しやすい環境です。もちろん、手術中に出血などの不測の事態が発生することもありますが、事前の準備と反復練習を通じて対応力を養えます。

病棟では、緊急入院の対応で、学習が進んでいない疾患の患者さんを急に担当することもあり、さらには毎日異なる疾患の患者さんを受け持つ可能性も高いため、日々の変化に追われがちです。手術室では、最初のうちは手術中に緊張するかもしれませんが、回数を重ねていくと自然に慣れていくため、内向的な方でも心にゆとりを持って働けるようになります。

 

4.目の前の仕事に集中できる

手術室では、一つの手術に集中して取り組むことが求められます。集中力がある人にとっては、手術中に目の前の状況に専念できるため、力を発揮しやすい環境です。

病棟では、仕事の始めに処置やケアの計画を立てても、ナースコールや急な患者さん・家族からの訴えによって、予定をその都度見直さなければなりません。ナースコールが重なると多重業務となり、思うように一つの業務に集中できないこともあります。

しかし、手術室では手順に沿って進むため、集中力を発揮しやすく、内向的な方でも安心して働ける職場です。

 

5.慎重さが強みとして生きる

手術室では、慎重さが大きな強みとなります。手術のリスクに備えるためには、準備を考える力が求められることがありますが、慎重派の人は医師の指示がなくても、これまでの経験をもとにしっかりと備えることができます。また、器具の取り扱いや繊細な物品の扱いに対しても、慎重な姿勢が大いに役立ちます。特に、手術中は細かな操作が求められるため、慎重な判断力と正確な手先の動きが、患者さんの安全につながります。このように、内向的な方でも自分の特性を生かしやすい職場環境が整っています。

 

まとめ

もちろん、手術室では患者さんと全くコミュニケーションが必要ないわけではありません。不安を抱えて手術室に入ってくる患者さんたちを最初に迎えるのは看護師なので、不安を少しでも軽減できるような関りを大切にしています。私もコミュニケーションが得意ではありませんが、それでも手術室看護師として働けています。

手術室では患者さんとの関わりが少ないため、やりがいを感じないという意見もありますが、私はその逆だと感じています。手術を受けるという大きな決断をした患者さんが、私たち看護師のサポートによって目標を達成できる瞬間に立ち会えるのは、手術室看護師としての醍醐味です。患者さんの治療の一翼を担うことができ、私にとって非常に満足感のある仕事です。

さらに、手術室は解剖を学ぶには最高の環境です。実際の手術を通じて、解剖学的な知識を深めることができるため、看護師としてのスキル向上にもつながります。

このような環境で、自分の特性を生かしながら安心して働けることを、ぜひ多くの方に知ってもらいたいと思います。

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