家族がしんどくても

先日、年齢が近い後輩から結婚の報告を受けました。

心から嬉しく思い、まるで自分のことのように喜びました。

でもその一方で、羨ましい気持ちや、少し寂しさを感じたのも事実です。

 羨ましいと感じたのは、人生を共に歩みたいと思えるパートナーに後輩が出会えたこともありますが、それ以上に「家族を持ちたい」と思えること自体がうらやましかったのです。

 私は、家族というものを煩わしく思うことの方が多くありました。

家族はいつも「心配のタネ」であり、「不安の元凶」でした。

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家族コンプレックスとは?

家族コンプレックス とは、家族に対して複雑な感情を抱え、劣等感やストレスを感じること です。

 たとえば、こんな気持ちを抱いたことはありませんか?

 ✅ 友達の家族が仲良さそうで羨ましい

✅ 家族といても落ち着かない、安心できない

✅ 親とちゃんと話したいのに、どうしてもうまくいかない

 こうした「家族に対するモヤモヤ」を抱えながら生きることを、広い意味で「家族コンプレックス」と呼びます。

 実は、私自身もこの「家族コンプレックス」を抱えながら生きてきました。

 私が家族に安心できなかった理由

私は幼い頃から、家族のことを考えると安心よりも不安の方が大きかったように思います。

 父は持病のために寝込むことが多く、幼い頃から「父が亡くなったらどうしよう」と不安を抱えていました。

母は中途で視覚障害を抱え、私はその母と弟たちとどう生きていけばいいのか、常に考えていた気がします。

それが長子としての自分の責任だとも思っていました。

 母には自分の悩みを話しても、話がこじれて面倒な事態になるのが明白だったため、悩みを共有することはありませんでした。

いつになったらまともな会話ができる日が来るのかと待ち続け、そんな日はこないのだと落胆し、弟たちの進学や就職も過度に心配していました。

気がつけば、私は「家族といて安心した記憶がない」まま大人になっていました。

そして、心の奥深くに「家族=やっかいだ」という思いが根付いていたのです。

私が羨ましいのは、「素敵な母親を持つ子どもたち」

職場には、家庭も仕事も自分の時間も大切にして、いきいきと輝いている人がたくさんいます。

もちろん、その姿をうらやましいと思う気持ちはあります。

でも、それ以上に私がうらやましいかったのは、その人たちのお子さんたちです。

 素敵な母親に育てられている子どもたち。

彼らは、私がどんなに望んでも手に入れられなかった「優しくて頼れる母親」を持っています。

 かつては、同年代が家族の楽しい話をするのが苦痛でしかありませんでした。

そして今も、「親の手を借りて子育てをしている」「家族旅行に行った」という話を聞くと、どこか寂しく、悲しい気持ちになってしまうことがあります。

家族コンプレックスのよくあるパターン

私のように家族との関係に悩む人は意外と多く、主に以下のようなタイプがあります。

 ① 家族と比べてしまうタイプ

・友達の家族を見て「うちは普通じゃない」と思う

・親が厳しすぎる / 無関心すぎる / 価値観が合わない

👉 私の場合: 友達が家族旅行の話をするのを聞くのが辛かった。私にはそんな経験がなかったから。

 

② 家族といると落ち着かないタイプ

・家族の前で本音を言えない

・家にいても気を張ってしまう

👉 私の場合: 母に悩みを相談すると話がこじれて、悩みが増える。だから何も話さなかった。

 

 ③ 家族に期待しすぎるタイプ

・「親が変われば、きっと私は幸せになれる」と思う

・期待しては裏切られるを繰り返す

👉 私の場合: 母と普通に会話できる日が来るのを期待していたけど、結局叶わなかった。

家族コンプレックスを克服するために

家族との関係は変えられないけど、考え方を変えることでラクになること があります。

💡家族=自分の人生のすべてではない

→ 「親がこうだから、私はダメだ」と思う必要はない。自分の人生は自分で作れる。

 

💡親を変えようとしない(期待しすぎない)

→ 「いつか分かり合えるはず」と思い続けると傷つく。期待を手放すことで心が軽くなる。

 

💡家族以外の「心の拠り所」を作る

→ 友達、恋人、趣味、仕事、カウンセラー など、安心できる場所を見つける。

 

何が幸せなのかは自分で決めていい

結婚しない人生は不幸なのか?

「結婚して家庭を持てば、何かが変わるかもしれない」

そんな思いから婚活をしていた時期もありました。でも、それはただの「世間体」を気にした行動でした。

婚活を続け、結婚できそうな雰囲気まで進んだこともあります。

しかし、最後の一歩を踏み出すことができませんでした。「この人と家庭を築きたい」と心から思えなかったのです。

無理に自分を押し殺して結婚しても、幸せにはなれないと気づいた時、自分の決断を情けなく感じることもありました。

だからこそ、家庭を持ちたいと願いつづけ、それを叶えた後輩のことを尊敬せずにはいられません。

だからといって、自分を卑下する必要もないのです。

後輩と私とでは選んだルートが違っただけです。

 

自分の価値観で生きていい

✔ 家族コンプレックスがあっても、自分の人生は自分で作れる

✔ 家庭を持たなくても、幸せな生き方はある

✔ どんな環境で育っても、過去に縛られずに生きることができる

家庭を持たない道を選んでも、私は自分なりの幸せを見つけるつもりです。

 だから、もしあなたが家族との関係に悩んでいるなら、無理に「普通の家庭」を求める必要はありません。

 「自分が安心して生きられる場所」を、自分の力で作っていけばいいのです。

 そして、それができるのはあなた自身です。

 

簡単に解決できるものではない。でも、諦めないことが大事

こういった悩みは、一筋縄でスパッと解決できるものではありません。

 どんなに自分の思考をコントロールしようとしても、ふとした瞬間に、根深く残るもともとの思考に引き戻されてしまうことがあります。

 たとえば、誰かの家族の話を聞いたとき、「やっぱり、この家族で育った私はダメだ」と思ってしまうことがある。

 そのたびに苦しくなって、「またスタートに戻ってしまった」と感じるかもしれません。

そこで、引き戻されてしまっている自分に気づくことは重要です。

気付くことができれば、引き返してくることができます。

 でも、それを何度か繰り返すうちに、少しずつ「自分が望む思考」にシフトチェンジしていくものです。

 だから、あせらず、少しずつ、諦めずに進んでいくことが大事 なんだと思います。

 

 

 

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